白昼議員会館で秘書が縛られる事件が起きる。奪われたのは闇金の一億円、奪ったのは何年も前に足を洗った伝説の任侠徒。彼はすでに末期がんで余命いくばくもなく、動機は不明。元マル暴の刑事、今は議員会館の衛視は、独自に追跡を開始する。一方議員側につくヤクザも犯人を追っていく。
追うものと追われるモノ、警察とヤクザ、二軸が犯人を追って錯綜する。筆運びは自然でスピーディ、元刑事の活躍は素晴らしいが、ヤクザも犯人も魅力的。読み終わってみれば?もあるが、一気に読めて痛快。人に魅力のある物語は力がある。 ★★ 定価1,785円