経済が破綻した日本。円安と株の暴落、消費税の大幅アップで町にはホームレスが溢れかえる。貧富が拡大し、政治は不安定、核による武装を叫ぶ強硬派の台頭もある。頼みのアメリカは中国と協調、北朝鮮と融和し、日本との関係を一気に縮小する。
そして、北朝鮮の特殊第八軍の精鋭が福岡に侵入する。時刻の破綻した経済を立て直すために、福岡を侵略して日本から独立させて東西の緩衝地域を九州に移し、アメリカ協調路線の障害となる対米強硬派を朝鮮から移動させるという計画だ。
戦略のないまま首を縮めて難を避けようと、無策の政府首脳、目先の打ち手だけに集中する政府。結果として、何の障害もなく、着実に北朝鮮の侵略が進行する。
5年後に実際に起こったら確かにこのような対応になるだろう。国の優先度を決めずに人気取りだけに注力する政府を持った国民は悲しい。
緻密な構成、圧倒的は迫力、明確でブレのない描写。 作家の想像力と筆力に感服。 4,000円/定価3,700円