かつて一家が惨殺されたという樹海の山荘。 後半が読めない惨殺犯の手記、曰く有りげな民宿の主人、と仕掛けからして禍々しい。
誘われるように山荘に引き寄せられる人々、過去と現在、現実と幻想が激しく転換し、一体自分がどこにいるか分からなくなってしまう不安。
かつて別々に発表した短編二篇に最終章を書き加え、スムースにつながるように書き加えたということだ。なるほど、ホラーというのはこういうモノなのか、と読んでから得心。
怖い、というよりは、不安を増幅させるホラー。 ミステリーでもあるのかな?
1,150円/定価1,890円