芝神明の御用聞き「とげ抜き万吉」が推理を利かせて事件を解決する。 『異国の狐』『のっぺらぼう』に続く捕物帖シリーズの第三弾。
舞台は慶応年間の芝界隈。幕府の力が衰え、西洋人、文化やものが現れる。一方古くからのしきたり、武士の習いも残っているという、幕府瓦解前夜のあわただしい時代。 御家人崩れ、洋式歩兵のならず者たち、剣で身を立てられない浪人、登場人物も事件も幕末ならではである。
聞き込み、手がかりを丹念に集め、知恵袋の社家の助けを借りて事件を解決する万吉の手腕は鮮やかである。
★★ (残りの二巻もぜひ読みたい。 1,680円までなら出す/定価1,900円はちょっと高いか)