2010年4月29日木曜日

疾駆する夢

ゼロから事業を起こし世界有数の自動車会社に育てた「多門」と「多門自動車」の半世紀。修理工場でスタートし、オート三輪で事業を拡大、レースで技術を進化させ、マスキー法で他社を引き離し、いち早いアメリカ進出で業界大手の地位を獲得。規制で業界をコントロールしようとする役人との確執、バブルで浮かれた銀行から会社を追われるが、業績悪化で復権、再建を果たすが、グローバル化でのさらなる飛翔をめざしてのアメリカへの本社移転。戦後経済界と自動車産業の一大絵巻をスピード感あふれるダイナミックな展開で一気に読ませる。
日本がさらに発展するための唯一の条件、グローバル化を10年も前に予言している作者の先見性に脱帽。現実となっていないことには危機感。2,300円/定価1,900円