2010年12月15日水曜日

吉原手引草

引手茶屋の内儀が教える吉原のしきたり、遊び方。なるほど「手引草」は手響き書か、と納得して読み進める。続いては大店の舞鶴屋の「牛」のはなし。
吉原の様子や日常をとともに、「呼び出し花魁」葛城の事件を追っているらしいことも明らかにされる。
花魁の育て方、遊びかた、単に遊女と客で成り立っていたわけではない吉原の内情を語りながら、謎解き物語であること、題名の意味もはっきりと明かされる。
実際には登場しない葛城がそこにいるようにくっきりと浮かび、「頑張れ葛城」と応援してしまう。吉原案内とても(今や役に立たないが)秀逸。
あっぱれ葛城。すごいぞ松井今朝子。 定価1,600円/★★★★