小泉武夫「味覚人飛行物体」先生が日本全国から旨いものを紹介する。日経新聞で長く連載している「食あれば楽あり」の毎日新聞版といったところか。
独特の「小泉語」が爆発することはなく、抑えた筆致で土地の名産を紹介しているのだが、さすがの小泉先生。読んでみると行きたくなるところばかり。日本全国まんべんなく紹介しているから、まずこの本を読んでから出発すれば旨いもの探しに困ることはない。
たとえば、この前行った矢吹には旨い蕎麦屋があるし、阿武隈R288沿いには絶品「油揚げ」があるという。アンコウで有名な北茨城からちょっと足をのばすだけで、「懐かしいさんまのみりん干し」が手に入るし、米沢に行ったら「鯉のうま煮」が圧巻であると、どこに行ってもツーリングのタネ本としても役に立ちそうだ。
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