タイ料理の旨さは、賄い料理やネコまんまの旨さと同じだ。鋭い包丁さばきによる料理と器との組み合わせを目と舌で味わう懐石料理、ソースで勝負するフランス料理、多彩な調味料と材料を駆使する中華、これらとは正反対だ。気取らないからこそ、ご飯におかずをかけてむしゃむしゃ食べられる気楽さも旨さの要素であるに違いない。
六本木のバンコクレストランは、店にナンプラーの匂いが染み付いているし、王様の写真もちゃんとある。正統タイ料理、旨い。入り口にはランチメニューが貼ってある。よく海外レストランの紹介で「メニューが写真付きで便利」というのがあるが、ここも同じ、写真しかない。でも写真では味は分からないから、そんなに便利でもない。
料理の得意な近所のおばさんの作ってくれた飯をかき込む、そんな気分を味わうにはランチで+100円の大盛りがおすすめ。 写真は金曜日のBランチ。シナチク?とひき肉、ピーマンなんかのナンプラー味炒めかけご飯で、ちょいとピリ辛だけど、もっともっと辛いほうがいいなぁ。もちろん大盛り。