栃木刑務所で二度の懲役刑を務めた女組長が体験した刑務所。塀の中の生活と、極道として生きた半生がうまく組み合わされて語られる。
囚人同士でも上下関係があり、覚醒剤は偉く、盗みは馬鹿にされる、作業のない日曜や祝日は退屈で暇つぶしに専念、工夫をして化粧もするが、見つかると処罰を受けるなど、規則には無いしきたり、モノは無いが時間がある囚人たちの様子の記述はテンポが良く読みやすい。
課題の指摘も受刑者ならでは。 刑務所内の作業が時代遅れで身につく技術の習得ができないこと、工賃が安くほとんど一文無しで出所しなくてはならないのは一体どうしたことか。アメリカではコールセンターを請け負っているとの話もきくが。
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