毎週のように中国に出張していたことがある。食事はもちろん中華のみ。仕事と言葉のストレス解消は居酒屋めぐり。実際に行くのではない、この本でバーチャルにやるのだ。
放浪記には、ルールが有る。同行者と二人、真剣に店を選ぶ。チェーン店は論外だ。根を張るように地道な商売をやり、年季の入った店構え、長く親しまれ、肴は品良く、土地の酒を飲ませる。そんな店を長年の勘で探し当て、ハシゴする。呑むほどに旨い肴も、酒も何でも良くなる、店選びの失敗も修行のうち。
今度はあの店に行こう、この店も良さそうだ、とあたりを付けて何度か行ってみたこともある。酒と肴に太田ワールドに浸れれるというおまけ付き。ガイドとしても秀逸。
太田さん、これからもよろしく。 の気持ちをこめて780円/定価552円(文庫)。