オリンピック直前の昭和39年。浩二は大学付属校の二年に上がったばかりでレスリング部。ただし、軟弱付属校の運動部だから強くない。家は埼玉で用品屋をしている。
同級生にはハイミナールをキメる落第生、ギター好きのメッキ工場の息子。喧嘩好きでヤクザとも付き合いがありそうな幼なじみもいる。勉強は熱心とは言えないが、レスリングは真面目に取り組む。楽しみはラジオでの洋楽、そして東上線でナンパした美人女子高生「優子」。デートの約束の電話にドキドキし、映画を見たりもするが、手紙が中心のお付き合い。
新しいコーチの熱心さで浩二は関東大会で二位。余生を買ってデートも成功。そして夏がすぎ、父親の手術、優子との辛い別れ。オリンピックの閉会式が次の幕開けを予感させて物語は終わる。
いいなぁ、高校生。いまどきの女子大生とは全く違うけれど、真面目で懐かしくて、少しかなしい。 1,200円で買い/定価1,600円。