最高学府を出て留学経験ありという普通の職業なら超エリートの沢村航は、球界ナンバーワンの人気球団の左腕投手。 監督はひらめき采配で成績低迷、コーチは旧態依然、二世の七光オーのは野球音痴で体面重視。頭脳派で科学的な沢村は球団の中で浮いた存在。
突然の暴行と八百長の告発メールで、沢村はマスコミに糾弾され、二軍に落とされてしまうが、これは全く見に覚えのないこと。美人女優の助けを借りて真相究明に乗り出す。
クールで孤独、セリフもハードボイルドな沢村、ヒロインの黒沢美鈴は美人だが芽の出ない女優、クセのある長老記者と、登場人物も魅力的。
謎解きとしてはちょっと薄味だけれど、投球の駆け引きと投手心理の描写が面白く、定石通りの主役とヒロイン、脇役で、安心して物語に浸ってイッキ読み。