長女の冴子はたくさんいるだろうが、苗字が「すいり」はちょっとあるまい。この冴子さん、黄八丈を着付けている本好きだが、ちょっと縁遠くてお見合10回以上のベテラン。なぜか、お見合では必ず事件が起こるという不思議。そしてメガネを外してキラリと目を光らせて事件を解決してしまう。名前のとおり推理が冴える。
脇役も楽しい、推理一家でひとりだけ空っぽの次女は「空」は、はじけた狂言回し。高校生の弟は「推理狂」の垂理京一、冴子姉さんが大好きだ。叔母は仲人マニアで、冴子への縁談の供給元だ。
意外な探偵といえば、都筑道夫の「泡姫シルビア」シリーズが第一、ベッドの上で事件を解決というのがすごい。山口雅也は、お見合探偵という新しいジャンルの開拓者だから、第二位か。続編もあるから全編読破のつもり。