2012年7月5日木曜日

山のいで湯行脚(美坂哲男)

山と渓谷に「クマさんのいで湯行脚」として連載されていた。古い記録では昭和35年なんていうのがあるから、もう50年前だ。連載終了が1974年、発刊が1980年。ひなびの温泉も農民温泉も、高度成長、バブル、温泉ブームを経て大規模旅館や日帰り温泉に衣替え、循環が普通になって「掛け流し」や「天然温泉」をわざわざ明示することが必要になる時代が想像できただろうか。鈍行とバスを使い、ひたすら歩き、越中を愛用、短パンと上半身裸、ビールを瓶からがぶ飲み、飯はたらふく、まさに戦中世代の面目躍如だ。連載中から古い温泉のばかりだなぁ、と感じていたが、40年もたって読み直すと、今でも鄙び温泉を探すガイドになるのがすごい。定価1,200円 ★★★(マニアならガイド、もはや入れない温泉もあるしね)