いい題名だなぁ「スプートニク」、実際には「ビートニク」なのだが、どちらも素敵だ。
「すみれ」が「ミュウ」に恋したことから物語は始まる。「ぼく」とすみれはお互いほとんど唯一の理解し合える友人。すみれはミュウのもとで働くことになり、二人はイタリアからフランスへと買い付けの旅に出る。すみれは旅の終わりのギリシアの島での「消えてしまう」。ミュウに呼び出されたぼくは島まで向かうが、探し出せぬまま帰国する。すべてがフワフワとして存在感がなく夢かであるように進行する。雲の中でウトウトしているような半覚醒の心地よさ。それぞれが衛星に乗って宇宙軌道にいるように、近づいたり、離れたりしながら遠くをさまよっているのが気持ちいい。定価 1,600円。★★★