夜想(貫井徳郎)
雪籐は交通事故で妻と娘を失い、深い喪失感を埋めることができない。持ち物から人の心を読み取る能力を持つ遥と出会い、遥の力により人を救う活動をはじめる。新興宗教にはしたくないという雪藤の思いとは裏腹に、新たな宗教の始まりが描かれる。教祖と幹部、純粋さと金儲け、利益を得ようとする者、人助けを教条とする守るべきだという幹部。その中で雪藤は中心的な役割を果たすが、暴漢による遥の怪我により会は解散状態となる。中だるみを経て一気にクライマックスへ、最後で明かされるの雪藤の異常な行動が怖い。★★
定価 1,667円