縮んでいる二輪業界でハーレーだけが売れている。優れたマーケティングの成果という人が多い。
毎週のようにどこかで商談会という名のイベントをやり、全国規模のユーザフェスティバルを仕掛け、津々浦々までチャプターというユーザ会を組織している。月に一度はツーリングのお膳立てをし、普段着からライダースーツ、子供や犬の衣装まで提供するというきめ細かさ。だから、ファッションに自信のない親父でも安心。 その上いくつもの月刊誌がカスタムという改造を指南し、ユーザと愛車の紹介にも多くのページを割いているから、雑誌登場のチャンスも多い。
プリンターは本体より消耗品で儲けるというが、ハーレーも同じ。売った後のカスタマーロイヤルティを保っていることが成功の鍵だ。継続して金を落とす仕掛けを作ったのは見事。
この本は、しかしちょっと残念。ハーレーの歴史、モデル、エンジン、構成も内容も昨年出版されたハーレー検定とほとんど同じ。そうと知りつつ読んでしまうのは、「ハーレーダビッドソンの世界」にどっぷり浸かっているからか。 ハーレー検定を持っていない(いや持っていても)薀蓄の種本としてファンなら持っておくべき。