「芸人は貧乏で、いい加減で、社会の常識とは違う生き方をしている人たちだ」とは、全く都市伝説だ。 税金も払うし、マンションに住んで、クルマもあって、普通に生活している芸人のほうがよっぽど多いはずだ。特に最近は落語家も大卒が普通になってきているから、常識もあるだろう。
ところが、この本に取り上げた人たちは、普通ではない芸人ばかりだ。副題に「突飛」と付けた由縁だろう。『オール讀物』の連載は25年前だから、バブルの真っ最中。ここから、メジャーになった人も、亡くなった方もいるが、全てが懐かしい。可朝、梅橋のめちゃくちゃさ、ショパン猪狩のスネークショー、敏江・玲二のどつき漫才、もう一度見てみたい。