走る 生活
自分の足でジョギング、 ハーレーでどかどか、 いつも疾走
2012年6月21日木曜日
ラジオ・キラー(セバスチャン・フィツェック)
ベルリン警察の公証人「イーラ」は、その日自殺しようとしていた。錠剤を飲もうとコーラを買いに行ったリカーショップで巻き込まれた事件から助け出された先は、恋人も自らも不可解な事件に巻き込まれた「ヤン」がおこしたラジオ局での立てこもり殺人現場。そこで交渉人をやらされることになる。
幾十にも仕掛けられた真実が緊迫した状況のなかで少しずつ明らかになる、緊迫感を維持させたまま輻輳した状況が徐々に解きほぐされるのを読み進めるのが快感。最後にはどこに連れて行かれてしまうのか、作者の仕掛けに乗って最後まで一気読み。
定価 1,700円。★★★ (一気に読ませる驚異のサイコ・スリラーに間違いなし)
2012年6月20日水曜日
死者の鼓動(山田宗樹)
心臓移植のレシピエント「洋子」とドナー「玲香」は同じ高校の親友同士。前半では重篤な病を持つ父母の苦悩と、急激な娘の変わりように気持ちが揺れ動くドナーの母親が対比して描かれる。快方に向かっていたレシピエントの容態急変と脳死、突然現れ臓器提供に強硬に反対する父親の都合の良すぎる焼死、功をはやる助教授の移植準備の勇み足など、移植の現場での事故や軋轢をはねのけて移植は成功するも、提出と移植がレシピエントの父親だったことなど疑惑が発生。手術の描写は圧巻、ビジュアルと緊迫感でまさに立ち会っているような緊張感がある。
筆者の腕力は親友間の移植という特殊条件を設定して、移植を取り巻く課題をすべて入れこみ、圧倒的な手術描写に、医学ミステリーと一応破綻なく盛りだくさんの内容をまとめあげた。反面手術後の謎解き部分は冗長でキレがないし、手術描写も全体を通してみると浮いている感がある。夢中で読み切るも後で若干の違和感あり。 定価1,8001円 ★★
2012年6月19日火曜日
負け犬の遠吠え(酒井順子)
題名に引かれて読んでみた。調べてみたら10年近く前のベストセラー、アマゾンの書評が440件、五つ星から★一つまで均等でいかに反響が大きかったかわかろうというものだ。高学歴の女性の社会進出を背景に「負け犬」を未婚、子なしの30歳以上と明確に定義し、発生原因を考察し、特徴を分析したうえで、人としての処し方を諭す。自身を肴とした単なるお笑いエッセイとして読み流すべきところを、真剣に反応した書評が多いのは、筆者としてしてやったり、商品企画大成功というところだろう。周りの独身男女をみると、記述は今でも的確、つい「あの人」が目に浮かんでしまう。うまいなあ。 定価1,400円 ★★
2012年6月18日月曜日
小沢昭一的 新宿末廣亭十夜(小沢昭一)
2005年6月下席に新宿末広亭に小沢昭一が出演。10日間の口演の速記本だ。語るのは、落語でも漫談でもない。映画俳優、1973年以来40年近くも続く「小沢昭一的こころ」の演者、伝統芸の収集家、そして何より落語、寄席好きがとして語り込むのだから面白いに決まっている。小三治師曰く「最も良かったであろう寄席の雰囲気を一人で持っている」人気者の出演だから、毎日大混雑、正月以外は開けない2階も解放したあげくに、最後の三日は昼夜入れ替えという大入り満員が続いた伝説の下席の口演。
出囃子が聞こえ、拍手の後の登場の様子、開口一番でざわめきがなくなり、柔らかく語り始める。小さな笑い声、大爆笑、高座の様子と客席のうねりが聞こえてくる速記本。雰囲気もよし。定価1,260円 ★★★
2012年6月17日日曜日
はらこの甘煮(山形みやげ)
鯉の甘露煮はよくあるけれど、はらこだけは珍しい。鯉は内蔵が旨いというし、白子と卵で作っているから、数も少ない貴重なものだそうである。確かにWebページでも載っていない。
ここは寒河江で四代にわたって鯉を商っているという「
丸原鯉店
」で購入したもの。東京では鯉食は失われてしまったが、どこにでも居る魚だからかつては広く食べられていたのだろう。
しっかりと味付けられたはらこは旨い。純米酒でもご飯のおかずにもいい。
2012年6月16日土曜日
本金 太一 からくち
「
ぬのや本金酒造
」とは名前が素敵。家族経営の小さな蔵であることがWebページからわかる。蔵は上諏訪駅からすぐのR20沿いにあるようだが、ここまでいかずに、買ったのはA・コープ富士見。
喉越しがよくて、呑みやすいうえに、旨みが太い。本醸造らしい甘味が嫌味でなく、旨口である。 いつものように常温で飲んで旨い。冷にすると少し線が細くなるが、この季節にはいい。信州名物の塩いかとまぐろの山かけに合わせたが、よく合う。
太一とは杜氏の名前らしい。親子と杜氏の三人でやっているという蔵らしい良いネーミングだ。
2012年6月15日金曜日
ジャズと落語とワン公と(赤井三尋)
100周年間近の早稲田の総長室。村井総長の時代、これでいきなりやられる。当時早稲田に在学した10,000人くらいはこの本を買ってもいい。時代は大正末期、関東大震災の復興の東京。アインシュタイン、幣原外相、小金治、と実在の人物に、早稲田教授の等々力教授に助手の井上が謎解きをする。軽妙で当時の風俗がわかり、美味いものの楽しむという謎解き短篇集。早稲田学報に記載という体裁であるのも楽しい。続編はでないのか?
定価 1,500円 ★★
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