講談社の新感覚の時代小説「KENZAN」に連載されたもの。
家督相続したての新米藩主「正晴」と、親と生き別れひとりで山に済む野生児「ハヤテ」の物語。お家騒動で信じていた馬廻り役に裏切られて行き倒れた「正晴」は、御留山に隠れ住む「ハヤテ」に助けられる。立場は違えど頼るもののない二人が、強い絆で結ばれていく様子は暖かい。
4話の短編は、身分の違う二人がお互い惹かれ、強く結ばれている様子が明るく楽しく描かれる。4話を通しては、二人の成長物語として読めて面白く、読後爽やか。
米村圭伍の時代小説はいいなぁ。 おすすめ。 1,500円と値付け/定価1,700円