クロワッサンに連載されたエッセイ。 食べ物がテーマだが、懐かしイ思い出の味、作ってみたら旨かった、で書かれたものが多いし、楽しい。味覚も似ているのだろうか、茗荷、カツサンド、そしてホヤ。
食欲だけが残っているという女史にも嫌いな物はあるらしい、それが椎茸。年を重ねるにつれて食べられるようになったというが、未だにふくめ煮が苦手とは残念なことである。
父上は文化勲章受章の大作家の阿川弘之御大だから、子供の頃の思い出も豪華である。鶏レバーのベーコン巻が来客の酒のつまみというのだからすごいものである。
文章が軽やか、明るく楽しい挿絵の魅力もあるから、何でも食べたくなること請け合い。 1,200円/定価1,400円(薄いし字も大きいからちょっと定価は高めかな)。