2010年7月8日木曜日

生誕祭

上下巻1,000ページ近くもあるが一気に読了。
バブルの最終期、ディスコの黒服だった彰洋は、不動産屋の愛人となった同級生の麻美の紹介で、不動産屋で働くことになる。
国を上げて金儲けに走り、大きなカネを手に入れることが善という風潮のなかで、若者二人は主体的意思もなくその一員として踊ることが生きがいだと感じる。人を食わなければ脱落してしまうという切羽詰った状況のなか、彰洋の逃げ場は、不動産黒幕の娘との純愛。騙されるのを知っていながら癒しを乞う麻美の二人の女だった。 
ピリピリした高揚感のある時代を味わいたい人にはおすすめ。