「季刊落語」は編集長一人に部員一人。新人の緑が配属されて初めて二名体制になったという小さな編集室。落語ファンにとって、緑の仕事は寄席通いという羨ましい身分。
この編集長が、「オチ」の見えない事件を解決、「落ち」が見えない面白さは帯のじゃ惹句。普通の短編推理。落語会の事件とそれ以外が交互に出てくるが、落語で始まる「三人目の幽霊」、「三鶯荘奇談」が楽しかった。
短編だから謎解きの面白さより、事件や人物の魅力で読ませてほしい。 編集長も緑はキャラクターとして乙。 事件がもっと魅力的なら。
落語好きなら読まねばならぬ。 1,100円/定価1,800円