『下町の歩き方』ではなく『オキテ』である。下町のルールを守れないヤツは足を入れることができない。
出版されたのは10年以上前だが、当時から下町は衰えつつあって、今や絶滅危惧種としてレッドブックに登録されるべきである。この本の時点でもす神輿の掛け声はワッショイでなくソイヤになっていたし、稽古事は大人ではなくて子供のもの、もんじゃは駄菓子屋の隅でなく小奇麗な店で食べるものになっていた。
モノは手に入らなくなって価値が上がる。稀少価値である。この本は少し前まで、どこにでもあったから存在すらわからなかった絶滅種下町へのオマージュだ。 2,100円/定価1,500円。