産経新聞に連載されていたコラム「東京特派員」をまとめたもの。 筆者は長く海外特派員や外信部に在籍し、論説委員でもある。
コラムは四部(東京の今、過去を思い出させるもの、なくなってしまったもの、そして失われたものの再生)に分けられているが、そのいずれもが歴史と一体で語られる。たとえ今を語っていても過去とのつながりが記され、そのせいか全てが懐かしい。
「最後の早慶戦」の映画化の際に「海ゆかば」を削除したのは、「事実の発言を封じる雰囲気」が危険と厳しく糾弾し、弁護士を目指す夜の蝶にエールを送り、サテンを応援し、シロガネーゼを嗤う。 筆は厳しく、伝統を守り、まっすぐに生きる人には温かい。
東京生まれでいても知らないこと、たくさんあって驚き。 楽しめました。
見てみたい、行ってみたい: ★★☆ (三ノ輪、新東京タワー、幻の二の丸)
今あったらなぁ: ★★★ (高速道路のない日本橋、できた当時の聖火台)