若だんなが、箱根に養生にでるという。湯治で湯あたたりし、どこへも行けずで寝ながら事件を解決するのかと思ったら、大違い。若だんながさらわれたり、天狗に襲わ、村人に追いかけられる、という冒険譚で、ことがあると寝てしまう今までの若だんなとは大違い。
頼みの「仁吉」と「佐助」はいないし、おなじみの妖も鳴家だけ。その代わりに雲助頭の「新龍」がいい味だしてる。
せっかくの箱根だが、地の利は生かされていない、若だんな誘拐と、天狗襲撃といくつかの物語が絡みあうが、上手く説明されていないからちょっと中途半端かな。 寝てばかりの若だんなの旅だから、もっと楽しく賑やかであって欲しかったなぁ。
2011年3月7日月曜日
2011年3月6日日曜日
タチコギ
祖母の葬儀で帰郷する柿崎信朗、一人息子の智郎を連れての30年ぶりの故郷だ。
今ではなんとなくの中流生活だが、30年前小学校4年だった信朗はノブと呼ばれ、鉱夫の息子で長屋住まい。悪ガキ5人組でいたずらし、遊び、そして、野球が生活の全てだ。金持ちと貧乏、ホワイトカラーとブルーカラーがはっきり分かれ、生活も住む所も区別があった頃の社会がくっきりと描かれる。父親は暴力的、母親は厳しく口やかましい、先生は怖く、ノブは半人前の扱いでも安定した生活。ああ、あの時代はそうだったなと懐かしい。
しかし、鉱山が傾くと生活基盤はあっという間に崩れる。外資経営者とその小人からの差別、金持ちからの露骨ないじめ。ガボちゃんの悲しい出来事も子供の力では為す術がない。やりきれない暗い話がじんわりと胸に沁みる。
人と会話ができない息子はいじめにあっての登校拒否であったことが明らかになる。最後のシーンがいい。ノブも智郎もがんばれ。
今ではなんとなくの中流生活だが、30年前小学校4年だった信朗はノブと呼ばれ、鉱夫の息子で長屋住まい。悪ガキ5人組でいたずらし、遊び、そして、野球が生活の全てだ。金持ちと貧乏、ホワイトカラーとブルーカラーがはっきり分かれ、生活も住む所も区別があった頃の社会がくっきりと描かれる。父親は暴力的、母親は厳しく口やかましい、先生は怖く、ノブは半人前の扱いでも安定した生活。ああ、あの時代はそうだったなと懐かしい。
しかし、鉱山が傾くと生活基盤はあっという間に崩れる。外資経営者とその小人からの差別、金持ちからの露骨ないじめ。ガボちゃんの悲しい出来事も子供の力では為す術がない。やりきれない暗い話がじんわりと胸に沁みる。
人と会話ができない息子はいじめにあっての登校拒否であったことが明らかになる。最後のシーンがいい。ノブも智郎もがんばれ。
2011年3月5日土曜日
サウスポーキラー
最高学府を出て留学経験ありという普通の職業なら超エリートの沢村航は、球界ナンバーワンの人気球団の左腕投手。 監督はひらめき采配で成績低迷、コーチは旧態依然、二世の七光オーのは野球音痴で体面重視。頭脳派で科学的な沢村は球団の中で浮いた存在。
突然の暴行と八百長の告発メールで、沢村はマスコミに糾弾され、二軍に落とされてしまうが、これは全く見に覚えのないこと。美人女優の助けを借りて真相究明に乗り出す。
クールで孤独、セリフもハードボイルドな沢村、ヒロインの黒沢美鈴は美人だが芽の出ない女優、クセのある長老記者と、登場人物も魅力的。
謎解きとしてはちょっと薄味だけれど、投球の駆け引きと投手心理の描写が面白く、定石通りの主役とヒロイン、脇役で、安心して物語に浸ってイッキ読み。
突然の暴行と八百長の告発メールで、沢村はマスコミに糾弾され、二軍に落とされてしまうが、これは全く見に覚えのないこと。美人女優の助けを借りて真相究明に乗り出す。
クールで孤独、セリフもハードボイルドな沢村、ヒロインの黒沢美鈴は美人だが芽の出ない女優、クセのある長老記者と、登場人物も魅力的。
謎解きとしてはちょっと薄味だけれど、投球の駆け引きと投手心理の描写が面白く、定石通りの主役とヒロイン、脇役で、安心して物語に浸ってイッキ読み。
2011年3月4日金曜日
小説 古今亭志ん朝 芸は命、恋も命
明るくて華やかで艶のある志ん朝落語は大好きだ。朝日名人会の志ん朝シリーズは若い頃の録音だから、勢いと張りもあっていつも大切に聞いている。
若い頃はすごく売れていたから映画もラジオ・テレビでも人気だった。その頃の話から始まる、ヤクザの養女との短い恋、パリでの逢瀬、そして芸の師匠の三木のり平とのかかわり。協会分裂騒動での兄馬生とのやり取りなど、全ては生々しい。
筆者の伯楽は先代馬生の弟子で志ん朝の親友ということ。だから彼の色恋も、芸の苦労も良く知っていたのだろう。
でも、こうした本は読みたくなかった、志ん朝だって色恋があるだろうが、亡くなってからなんでこんな暴露本のようなものを書いたのだろう。小説とつければOKなのだろうか、後味悪し。
2011年3月3日木曜日
東京島
無人島に流れ着いた31人の男と1人の女。女を奪い合うでもなく、男達はそれぞれこじんまりとまとまって生活する。 女は中年、魅力的でもなく普通のおばさんだが、女の武器をそれなりに活かして強いものに着いたり、媚びたりして比較的マシな生活を送る。
中国人や、フィリピンの女たちが流れ着き、島の住民は増えるが、抗争が起こるわけでもない。脱出の思いは同じだが、バイタリティのある中国人と、おとなしい日本人、上手く立ちまわる中年女。
ビックリするような事件はなく、たしかに日本人が流れ着いたらこうなるであろうと思わせる展開。
日本人てこんなモノなのかな、ビックリせずに納得した一冊。
中国人や、フィリピンの女たちが流れ着き、島の住民は増えるが、抗争が起こるわけでもない。脱出の思いは同じだが、バイタリティのある中国人と、おとなしい日本人、上手く立ちまわる中年女。
ビックリするような事件はなく、たしかに日本人が流れ着いたらこうなるであろうと思わせる展開。
日本人てこんなモノなのかな、ビックリせずに納得した一冊。
2011年3月2日水曜日
寄席の人たち 現代寄席人物列伝
寄席に関わる人達、席亭、下座、寄席文字、そしてもちろん芸人達、噺家、手品師、漫才、三味線漫談、講釈師、紙切りに太神楽と色物も合わせて10人へのインタビュー。
寄席はチーム芸、だから、トリだけを目当てにしないで、退屈な演者にも眠らせるのも芸の内と心得て、ゆったり身をまかせるのがコツ。席はそれほどゆったりしていないから、窮屈を辛抱するのも寄席の楽しみ。
この本を読んでいけばもっと楽しい。芸人だけでなく、周りの人達も皆が寄席好き、演芸好きなのが、伝わってくる。 琴調の講談一筋もすごいし、柳貴家小雪の芸の仕込まれ方も普通ではない。
また、寄席に行こう。
寄席はチーム芸、だから、トリだけを目当てにしないで、退屈な演者にも眠らせるのも芸の内と心得て、ゆったり身をまかせるのがコツ。席はそれほどゆったりしていないから、窮屈を辛抱するのも寄席の楽しみ。
この本を読んでいけばもっと楽しい。芸人だけでなく、周りの人達も皆が寄席好き、演芸好きなのが、伝わってくる。 琴調の講談一筋もすごいし、柳貴家小雪の芸の仕込まれ方も普通ではない。
また、寄席に行こう。
2011年3月1日火曜日
立川流鎖国論
題名に釣られて手にとってしまう。 立川流は鎖国? たしかにこれは読んで確かめねばならない。寄席には出てないし、美学と論は家元独自だし、イリュージョンなんて三遊亭でも林家でも似つかわしくない。なるほど鎖国とは言い得て妙である。 さすが志らく、落語も旨いが、筆も立つ。そう思って思わず買ってしまった立川流のファンは多いはずだ。
が、この本はちょっと薄味。どこかで読んだようなものばかりだから、「以前よんでたかな?」と心配になる。読者を心配させてはいけない。
書きためた短文をまとめて一冊に仕立て上げたのだろう、「論」というほどまとまっていないし、一冊としての工夫もない寄せ集め本。題名がいいだけにちょっと残念。
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