2010年7月31日土曜日

前座修業 千の小言もなんのその

月に一度のライブ以外はアルバイトで食いつなぐ芽のでないパンクロッカーは、志らくのインタビューを見て衝動的に桂歌丸に弟子入りの電話をしてしまう。
運良く入門を許されたものの、団地を出ての通い前座、年下の兄弟子にはいじめられ、彼女は去っていき、師匠からは小言ばかり。
修行はひたすらに師匠に尽くす、寄席で師匠連中の世話をするという人間教育の場。真面目で神経質な歌丸、江戸っ子でしきたりにうるさい文治。濃密で狭い社会でもがく前座の苦労がこれでもかと綴られるが暗くない。ボクシングでストレスを発散し、修行の苦しみを二つ目昇進で一気に昇華させる。
立川流とは違って、師匠の魅力は明示的には語られていない。流派による修行の違いもよくわかる。 ☆☆☆

2010年7月30日金曜日

愛の風俗街道


福祉施設から中学に通い、高校は数日で中退。 日本全国をオートバイで放浪した作者の悪場所めぐり。 
金を使うほうが支配されてしまう、若くても年取っていても、何故こんなところに夜な夜な来てしまうのか。狭いようで日本には普通の人間が伺いしれない世界があること、地域性があることを教えてくれる。
小説のバックグラウンドをなす放浪と彷徨。暴力、薬と女は、こうした経験が発行したものなのだろう。だから、小説に比べてノンフィクションはインパクトが薄い。作者はルポに徹するのではなく、快を追求しながら思索に耽る。

2010年7月29日木曜日

Tanglewood

毎年夏になると、バークシャーの森のなかで「タングルウッド」が開催される。タングルウッドはボストン交響楽団が運営する夏だけの森の音楽祭。
ボストンからは車で東に3時間、ニューヨークからも同じぐらいだろう。 ボストンに住んでいた頃は毎年夏になると出かけて芝生の上で音楽を聞くのが楽しみだった。
タングルウッドに行くにははコツがある。用意するのは、キャンプの準備と同じ。折りたたみの椅子と大きなクーラーボックス、グラスと皿は必須だ。芝生の上に敷くラグもあった方がいい。きりっと冷やしたシャブリにボストン名物のロブスター。サラダでも、ロブスターロールでもいい。自分で作ってもいいが、途中のデリで仕入れるのもいい。 我が家はいつも、Roche Brosのデリでサラダやつまみを大量に仕入れて出かけた。
緯度が高いから、夏の日と言っても爽やか。明るい日差しと柔らかな風のなかで、世界一のボストンシンフォニーを聞き、ワインを飲む。こんな最高の贅沢が1,500円程度で楽しめるのだから素晴らしい。

2010年7月28日水曜日

二宮尊徳像 コレクション (福島県只見小学校)

国道から階段を上がると、歴史のある門が出迎える。
開放的で広い校庭の向こうに新しい校舎がある。 門とは対照的に明るく斬新なデザインである。 平成13年の新築で大きな吹き抜けと地元や学校林の材木を活用したという建築文化賞を受賞作品でもある。
二宮尊徳像は校門を入って左手にある。昔からあったものを新しい台座に付け替えたもののようだ。カビも出ているのが、かえって昔からのものを守ってきたという感じで好ましい。子どもが薪を背負うという暮らしは、ここではそんなに昔のことではなかったのだろう。だから残った、というわけでもなかろうが、そんな想像をしてしまう山奥の町である。 
昔からの門と新しい校舎、校庭を挟んで新旧が同居している。
25日のツーリングの途中で見つめたもの。

2010年7月27日火曜日

アシックス 2150 NEW YORK-SW

二月前からジムに通っている。 ほとんど一年ぶりにランニングも再開した。履いていたNew Balanceはすっかりくたびれていたが、ジョギング習慣が定着するまでと買うのを我慢していたが、ついに解禁。
New Balanceの寛平ちゃんモデルの派手さも良かったが、サイズが合わず。スーパーワイドのあるアシックスがぴったりで購入。 28.5cm(US11)となるとあまり選択肢がなくなるのが残念。
クッションも高く、安定性もばっりりだから、体重が増えた出戻りランナーのトレーニングには最適かも。

2010年7月26日月曜日

湯西川 カッパ人形君

湯西川はカッパで有名らしい。 道の駅の足湯にも泳いでいる。背中に買って帰ってね、戸大きく描いてあるのは、もって帰ってしまう人が多いからか?

ちょこまか泳ぐのが楽しいので、一匹購入して家に連れてきた。

2010年7月25日日曜日

只見から会津へ (六十里越、小出から会津、日光へ)

天気は良くないけれど、会津に出かける。 関越で小出まで、R252で田野倉湖へ向かう。 六十里越まではヘアピンの連続、通行量も少なく快適。 天気がよければもっといいのだけれど。
峠を越えると一気に田野倉ダムまで下る。ダムを終えれば一転して奥会津のゆったりした景色が広がる。
まずは只見小学校傍の「美好」で腹ごしらえ。ソースは甘くてピリ辛で、大ぶりで肉厚のカツとの相性バツグン。キャベツの下には,玉子焼きが仕込んであるのもいいね。うまいから、地元の人で満員。
お次は温泉。R289沿いにある「むら湯」に。
分析表には「ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉」となっている。なめてみると鉄臭くて塩辛い。相当鉄分がありそうだ。 実際かけ流しで石榴口からの湯は透明だが、湯船で酸化して不透明の赤褐色に変わる。成分が濃く、温度も暑からず温からずの適温。しかも空いているからのびのびと浸かることが出来る。温泉の良さがじっくり肌から滲み込むようだ。
この後はR401から、R352とつないで途中で前沢曲家住宅を見学する。実際の集落がそのまま保存されていて、ゆったり楽しむ。
大雨に祟られながらもR121で今市にでて、東北道をもどる。

2010年7月24日土曜日

ツオップ リュスティック

リュスティックは「素朴」という意味。
作り方は簡単なだけにかえって難しそう。捏ねないで混ぜるだけ。だから生地は不定形。中に大きな気泡が入り、表面が割れているのをきちんと作るのがプロの仕事。
小麦の味がしっとりとして味わい深い。ツオップでは、どっしりとした味の濃いものがうまいと思うが、これもいい出来。
食べたくなったときフラッと行くのでいつも手に入るわけではないのが残念。 って予約すればいいんだけど。

2010年7月23日金曜日

指し手の顔 脳男II

乱歩賞受賞の脳男の続編。精神科医の「鷲谷」と「茶屋」警部を中心に事件が回る。
寛解したと思われた患者が起こす不可解な事件が続出。「鷲谷」は医師として、「茶屋」は刑事の経験から事件の謎に迫っていく。上下二巻のボリュームは警察内部の縄張り争いをスパイスにして、鈴木一郎が描くシナリオ通りに、一気に収束していく。力技を使う作者の手の中で、翻弄されるのが気持よく、一気読み。 ☆☆☆☆

2010年7月22日木曜日

笑う山崎


山崎はヤクザ。冷徹で暴力を厭わないから他の組のやくざ者にも恐れられている。徹底的に人を傷めつけ、殺す、頭が切れ、やることが大胆。メチャクチャ恐ろしいのに、なぜか人を惹きつける。
いきなりホステスを殴る、病院で犯す、挙句には結婚してしまう。連れ子を猫可愛がりで、育て方に真剣に悩む。
山崎は欲望のままに生きる。あるのは自分の意志と論理に従うことだけ。これができるのは、山崎が強いから。 硬質で、歯切れの良い文体が緊張感とスピート感のある展開にマッチ。
一気に読み切る。 ☆☆☆☆

2010年7月21日水曜日

田子の月最中

田子の浦の近く静岡県富士市に「田子の月」がある。創業60年近くにもなる和菓子屋。 大ぶり正方形の最中には月の意匠が浮きだしてある。
最中の皮は非常に薄くパリっとしている。厚くてボッテリ、モソッとしている最中の皮と違って上品。中は小豆餡に、更に真ん中に正方形の求肥が敷き込んである。この餅入りがこの最中の最大の売り。 
皮のパリパリ、餡のしっとりした甘さと求肥のモチッとした食感が混じり合う。食べてごたえのあるうまい最中。故郷に銘菓がある富士が羨ましい。

2010年7月20日火曜日

吉祥寺幸荘物語


幸荘には若者がたむろしている。金はないが志はある、一家をなすべく頑張ろうとして頑張れない、アルバイトで食いつなぎ、メンチカツに幸せを見出し、金が入れば飲んでしまう。 金がないから部屋の鍵もかけず、だからプライバシーもなく、付き合いは濃密で鬱陶しい。
「吉岡」は作家志望。金も女もないが、同じ幸荘に住むミュージシャンの円町に付き合って殴れたことから、円町の彼女「香月」さんに「佐和子」を紹介してもらう。
女と付き合い、酒を飲み、新人賞と成功への期待。普通の若者を優しい目で描く萬月の異色作。
吉祥寺、青春、新宿、懐かしさにどっぷりと浸る。 ☆☆☆

2010年7月19日月曜日

萬歳楽 劔

 
萬歳楽は加賀の蔵元。白山の麓の鶴北にある。
五百万石と手取川の伏流水で醸した山廃純米である。含むとふっくらとフルボディのコメの香りが立ち、あとからアルコールがツンと引き締めるから、キレがある。
ボディがあるからボリュームのある肴にあう。マグロカマの塩焼きと合わせたら、これはうまい。

2010年7月18日日曜日

Moon Handbooks WISCONSIN (ウィスコンシンガイド)

普通の日本人はウィスコンシンと聞いて何を思い浮かべるだろうか? 「何もなし」が、一番多いのではないだろうか。ミルウォーキーはビールで有名、一部の人にはハーレーを思う浮かべるだろう。大学人にはマジソンが、フットボールファンはグリーンベイというかもしれない。『大草原の小さな家』の作者の「ローラ・インガルス・ワイルダー」の生家のあるピッペンもみんなウィスコンシンの町である。
今年の夏はシカゴまでのチケットを買ったので、ミルウォーキーでハーレーミュージアムに行くことは決めた。でもそれ以外が思いつかない。日本語のガイドには全く載っていないから、Amazonで評判のいいMoon Guideを買った。
著者のThomas Huhtiはウィスコンシンで生まれ育ったが、それでもすべて回ったわけではないという。見所を回るだけで数週間とか。 アウトドアアクティビティが最高というから、のんびりアメリカの田舎を回って、チーズ三昧を計画中。

2010年7月17日土曜日

山寺 奥之院 仏足お守


山寺立石寺は松尾芭蕉で有名。その名の通り駐車場からはすぐに山道である。
断崖には支院があり、仏像が彫られ歴史と信仰の厚さが伺える。深い山、冬は特に厳しいこの地を仏道の修行の場として選んだのだろう。
立派な仁王門をくぐり、奥の院までは800段の階段、150mの高度差があるという。
さくらんぼマラソンの途中でよってみたら、マラソンに最適なお守りを発見して即購入。
仏陀の足裏を敬っても生身の仏と同じ功徳があるという。 ありがたい事である。

2010年7月16日金曜日

世界で最も阿呆な旅

地図帳にはロマンがある。子供の頃地図帳を見て海外に行ってみたいと夢想した記憶はだれにでもあるはずだ。
作者は少し変わった形でそれを実現した。世界中の「珍名」をめぐるのだ。地図で探し、休暇を使ってかの地を訪ね、写真を撮って存在証明とする。 
地名が面白いだけで、多くは景勝地でも、秘境でもない普通の場所である。そもそも人が住んでこその地名だから、人類未踏の地であるわけがないが、観光地でもないから、行くのは結構大変そうである。そんな旅を10年以上も続けWebページで公開していた作者の本。「継続は力なり」を感じるなぁ。
情報量はWebでも十分、ただし本の作りはきれいで上品。 980円/定価1,500円。



2010年7月15日木曜日

月虹 ムーンボー


新宿署のマル暴刑事「生方」は、銃の取締に力を注ぐが、担当の歌舞伎町に3,000人はいるという暴力団や中国マフィアの中での仕事に徒労感に囚われている。腕がいい一級の刑事であるにもかかわらず、関西暴力団の鉄砲玉に紹介された中国人を恋人に持つことから、署内でも疎まれていて、退職を真剣に考えている。
更生したラーメン屋主人は家族が銃で殺されたことから、犯人の福建マフィアへの復讐を誓う。 そこに鉄砲玉の思惑が絡み、歌舞伎町は一気に暴力団同士の抗争の危険が高まる。
生方の活躍が光る、刑事物語。歌舞伎町の雰囲気、署内の状況が迫力を持って描写される。
マル暴デカ「生方」シリーズとして続編が読みたい。 1,600円/定価1,800円

2010年7月14日水曜日

散歩写真に目覚める (不思議な看板)

面白い光景を探して歩いたら、 すごい看板を見つける。アパートの空室だが、「犬」とはなんだろう。

  1. 犬を飼ってもよろしい。 
  2. 部屋付属犬あり。
おそらく、6畳、4.5畳の事だろう、畳を丈と間違え、丈と犬を間違えるという二段階勘違い。
字は読みやすく、丁寧なのだが、、、

この看板をみて契約する人がいるのだろうか???

2010年7月13日火曜日

俺は鰯


ハードボイルドの主役はタフに決まっている。ところがここでは元「鰯」が主役。高城は、鰯の群れの一匹と同じ。会社組織を乱さぬように、目立たぬように生きている普通の人間。10年務めた会社をやめたカネで、風俗嬢「慧敏」を買ったことから、事件に巻き込まれる。風俗嬢に恋をしたのだ。待ち合わせの約束に現れたのは、台湾ヤクザ。殴られ、脅され,身の危険があっても、嬢を追いかける。
高城は打算も戦略もなくがむしゃらに突き進むだけ。高城の周りにいる人間が結果として彼に味方をすることになる。 最後はハッピーエンド。
サラリーマンの悲哀たっぷり。 楽しく読めて痛快。 1,200円/定価1,700円。

2010年7月12日月曜日

柏でランチ ル・クーブル


近所に旨い店があるのは嬉しいことだ。 柏にもフレンチの名店 ル・クーブルがある。今日はランチに出かける。
12時30分にすでに店内は満員、95%は女性だ。デザート付きのコース 1,800円をオーダーする。 スターターに鶏のロール、メインがヴィールのピカタ。
スターターが旨い。5mm程にカットされたロールは中にインゲンと人参が巻き込んである。ジューシーな肉とコリッとした野菜の取り合わせに、人参のムースが味を添える。
メインはさらに上出来。ミディアムレアのヴィールは,肉汁の旨みがソースと絡みあって脳を刺激する。
残念なのは、一皿の量。ランチで女性客がほとんどとはいえ、値段の割に少なすぎ。
ディナーでこの量だと、CPが悪すぎるから、怖くていけないなぁ。

2010年7月11日日曜日

散歩写真に目覚める (選挙の日)

今日は参議院選挙。投票所が遠いからいつもは不在者投票なのでが、今回は時間がなく、投票所へ。
候補者の顔をみて決めようと掲示板を見たら、2番の候補のポスターが剥がされている。ポスター破りでの今回の最初のの逮捕者は、横浜市の無職とのこと。こうしたものは現行犯でないと逮捕されないのかもしれない。

別のところで見たら、自民党の人でした。

2010年7月10日土曜日

東京発 読んで旅する四季の山々

木暮理太郎が『望岳都東京』を記したのは、1938年発行の『山の憶い出』でのこと。この本で語られるのは、多くが奥多摩、大菩薩、奥武蔵の山々、70年以上前に木暮理太郎が歩いた場所ある。この本ではその60年後の山歩きの姿。かつて秘境だった山には縦横に林道が走り、峠は役目を終え名前だけが残っている。
著者はサラリーマンをしながら年間50日は入山しているという。豊富な山歩きの中からの厳選東京付近の山紀行。日帰り山行、下山後は温泉、景色と植物をめでて歩くというのは一般的な姿であり、この意味でガイドとしての価値も高い。
読むと山に登りたくなる。 890円/定価1,300円

2010年7月9日金曜日

散歩写真に目覚める (放置された車)


駐車場の隅にある軽トラック。屋根には穴、荷台にまで雑草がはびこっているから、もう何年もこのままなのだろう。タイヤの空気が抜けていないのは立派。
右手に回ると、なんとまだナンバープレートが付いている。突然の事情で廃車にすることもできずに放置されたものか?
サイパンには日本軍の戦車が残っているが、この車ももう100年もそのままであれば記念碑ぐらい立つだろか?

2010年7月8日木曜日

生誕祭

上下巻1,000ページ近くもあるが一気に読了。
バブルの最終期、ディスコの黒服だった彰洋は、不動産屋の愛人となった同級生の麻美の紹介で、不動産屋で働くことになる。
国を上げて金儲けに走り、大きなカネを手に入れることが善という風潮のなかで、若者二人は主体的意思もなくその一員として踊ることが生きがいだと感じる。人を食わなければ脱落してしまうという切羽詰った状況のなか、彰洋の逃げ場は、不動産黒幕の娘との純愛。騙されるのを知っていながら癒しを乞う麻美の二人の女だった。 
ピリピリした高揚感のある時代を味わいたい人にはおすすめ。

2010年7月7日水曜日

ツオップ ヨーグルト・ライ

ライ麦パンは味が濃くてどっしりとしていて、噛みごたえがありうまい。日本では、「ダブルソフト」に代表されるように白くてふかふか、柔らかいのが好まれるから、対極にあるライは人気がないのだろう。普通のパン屋にはないから、ツオップに行くとライをつい選んでしまう。
ヨーグルトが入っているようでまろやか、サワードゥ程の酸味はなく、ライの旨みを楽しめる。
懐かしい味で、アメリカでサンドイッチの注文で苦労したことを思い出した。 まず、ライか、ホワイトか、ホゥイートでパンの種類を選ぶ、その後はチーズと野菜だ。マヨネーズはいるか? ピクルスは付けるか? 一緒にポテトチップスは? と慣れればどうということもないが、普通の日本人にとっては面食らうだろう。 大体注文は同じだから、何種類か作っておけばいい、と思うのは日本人、アメリカ人にはそんな発想はないのだろう。
ツオップには旨いパンが沢山ある、菓子パンも楽しそうだが、一度も買ったことがない、高いからね。

2010年7月6日火曜日

パンドラ・アイランド

東京の南1,100Km、小笠原から高速船で1時間30分。元捜査一課の高州は保安官として赴任する。前任者の急死の後釜として、南の孤島でのんびりし、貯金も増えれば、とう考えからだった。
が、赴任早々に事件が立て続けにおこる。島には米国信託投資時代にきっかけのある何か秘密があるらしい。新、旧島民の諍い、回収されずに私蔵されている軍用銃、秘密を共有しているらしい行政幹部。高州は一人で謎を解明しようとする。東京から捜査一課が島に来ることになっても、独立した行動は変わらない。
何重にも仕掛けられた謎、お互いに騙し合う幹部たち、高州を利用しようとする女。読み出したら止まらない。派手なアクションはない。追い詰める高州に共感。 1,800円/定価1,900円

2010年7月5日月曜日

ピスタチオ (アメリカみやげ)


出張のみやげはピスタチオがいい。アメリカでも高いけれど,日本ほどではないし季節に行けば量り売りもしているから、好きなだけ買うことができる。
この前の出張では、残念ながら袋詰めしかなかったからこれを買ってきた。緑の実を取り出してコリットかめばナッツの甘みと旨みが塩味と一緒に口に広がる。
問題なのは、うますぎてつい食べ過ぎ、あっという間に無くなってしまうことだ。

2010年7月4日日曜日

上海万博 (帰りはリニアモーターカー)


浦東空港までは、リニアモーターカーで。 地下鉄2号線の「龍陽路」まではタクシーで。飛行機のチケットがあるから、40元に割引される。
普通席は3人がけボックス席が通路を挟んで左右に。シートカバーもヨレヨレ。20年選手のスカイライナーの方が室内の高級感がある。
社内は3分ぐらいの入り。高いし不便だから乗る人が少ないのも納得。乗換えを考えると市内からはタクシーが一番便利で楽。地下鉄も乗り入れたから、延長もされずに中途半端なまま終わるのかも。

できた当時に乗ったときには430kmにびっくり、ものすごい揺れかたに身の危険を感じたが、今回は300kmどまり。龍陽路駅の運行表を見たら430km運転をするのは、日中の午前と午後の4時間だけで20本のみ。 300km運転の方が時間も本数も多いのは、安定性に問題があるからなのだろう。
新幹線のほうが早くて快適、正確で安全。 さすが日本新幹線技術。でも和諧号は中国製となってるんだよね、残念なことである。

2010年7月3日土曜日

上海万博 (その3: ドライミストの嘘)

学校が休みになったから、万博は40万人という驚異的な入場者数、その上35度という異常な暑さ。二時間並んでイギリス館に入る。売り物の『ドライミスト』が設置してある。
霧の直径は極めて小さく、しかも空気中にばら撒かれた霧はすぐに蒸発するため、衣服を濡らしてしまうこともない」、が全くの嘘であることを体験する。
ノズルの作りが雑だから、霧は雨のようにもなり傘を指す人もいるほど。蒸発しないから常時湿度100%に保っているようなもの。蒸し暑くて衣服はべったり、「ミストサウナ」状況である。
イギリス館は得意な外観で有名だが、中も素晴らしい。アクリルの棒が建物の壁を突き抜ける。外からはハリネズミのように見える。内側には何万もの「タネ」が埋めこんである。
建築設計の専門家とご一緒したが、どうやって作ったか、よくわからないとのこと。
夜は光るのでさらに素晴らしい。

2010年7月2日金曜日

最後のスカイライナーで上海へ


1978年の成田空港開港から運行したスカイライナーが17日に「成田スカイアクセス」の開通で引退する。
開業当初は成田からタクシーやバスへの乗り継ぎが必要だっから、本当に不便だった。空港タクシーのマナーの悪さと乱暴な運転も、アクセスの悪さと共によく話になったものだ。
現行のAE100のデビューは成田空港駅の開業の前年1990年だから、20年前の車両ということになる。車内はさすがにくたびれた感じになった。日暮里駅も綺麗になったし、安くて空いているから便利に使っていた。海外にいた頃は京成のごちゃごちゃ沿線をみて、日本に帰ってきた、という気持ちになったものだ。
長い間ご苦労様でした。

2010年7月1日木曜日

残るは食欲

クロワッサンに連載されたエッセイ。 食べ物がテーマだが、懐かしイ思い出の味、作ってみたら旨かった、で書かれたものが多いし、楽しい。味覚も似ているのだろうか、茗荷、カツサンド、そしてホヤ。
食欲だけが残っているという女史にも嫌いな物はあるらしい、それが椎茸。年を重ねるにつれて食べられるようになったというが、未だにふくめ煮が苦手とは残念なことである。
父上は文化勲章受章の大作家の阿川弘之御大だから、子供の頃の思い出も豪華である。鶏レバーのベーコン巻が来客の酒のつまみというのだからすごいものである。 
文章が軽やか、明るく楽しい挿絵の魅力もあるから、何でも食べたくなること請け合い。 1,200円/定価1,400円(薄いし字も大きいからちょっと定価は高めかな)。