2009年7月10日金曜日

芸人の了見

90年代を中心として作者が寄席芸人について語った「当世芸人事情」、山藤章二氏との対談、 早野凡平と春風亭梅橋の評伝、 そして ユートピアとビートたけしを題材とした小説、と盛りだくさんの演芸評論集。あとがきにあるように「寄席」のように作者のさまざまな芸を堪能することが出来る。
もう20年も前に、小朝・志の輔の次は誰、と予測し、今まさにその通りになっているのは慧眼。 「市馬に六代目 小さんを継がせたいとおもった」、いいなぁこの言葉。残念なのは、志ん生一門。美濃部美津子さんとの対談は哀しい。馬生、志ん生早世が本当に悔やまれる。 
「わが愛しの芸人たち」の続編とも言うべきもの。 正・続読むと二倍楽しいぞ。