2009年7月8日水曜日

トヨタ・ストラテジー

トヨタ自動車70年の歴史は度重なる危機と克服であったという。偉大な発明家・佐吉の遺伝子を持った豊田一族、そして金庫番・番頭として彼らを支えた経営幹部たちによる、確かな戦略の立案、不断の努力による確実な事業遂行が、70年後の世界一を達成したことを、本書では、事実の積み上げで丹念に明かしていく。
豊田英二の指揮の下で、クラウンからカローラにいたる開発とカンバン方式の確立は、時代と企業の志と気迫が感じられる読み応えのある部分である。日本全体が「復興」から「東洋一」へ、次の目標の「世界一」に邁進できた幸せな時代でもあった。
半世紀以上も世界一であり続けたGMも今はない。トヨタは海図なき世界の自動車産業をどうやってリードしていくのか。問題提起が終章である。