2012年6月8日金曜日

あくじゃれ瓢六 (諸田玲子)

弥左衛門は無骨で融通がきかない北町奉行所の定廻り同心。瓢六は小博打で捕らえられたが、ゆすりの嫌疑で大牢に留め置かれている。瓢六の過去を知る与力は、外に出し探索の手伝いをさせよと言う。瓢六の生い立ちを知り、豊富な知識と人を手なずける才能に惹かれた弥左衛門と、瓢六は立場の違いを超えて仲間として結びつきを深めて行く。現実離れした話に身を任せ、作者の手の内で自らを弥左衛門と一体化して、物語に遊ぶ楽しさ。彼らを取り巻く女連中も魅力的。
続編も読みたい。 定価1,619円。★★