2009年3月16日月曜日

新版 日本のバス年代記

バス事業の発祥から現在まで、出現したバスを網羅するという壮大な書。年代記に値する内容とボリューム。
単なるモデルの羅列だけでない情報の多さだ。ボンネットバスの需要のピークが1950年代末であったこと。1961年には三菱が生産を中止する一方、いすゞは1960年代にも未舗装路や山間部事業者向けに量産を続けたため、現在残るボンネットバスのほとんどはこの時代のものであること。トヨタ、日産はかつてバスも多く製造したが、ディーゼル化に遅れたために衰退したこと。 等々。
過去の中には実車で見たいものも多い。 流線型ボディで日本初の冷房搭載のデラックス貸切バスのいすゞBA341P、 日野T13Bトレーラバス、米軍払い下げ水陸両用車改造のアンヒビアンなど。 
バス模型や鉄道模型マニアにもお勧め。
著者の執念に感服: ★★★ (よくこれだけの写真を集め、時系列に整理できたものだ)
事業者の執念と挫折: ★★★(ネオプラン メガライナーは関係省庁との4年越しの折衝の末導入された超大型15m級二階建てバス。2008年5月、2009年3月16日(本日)と火災事故を起こした結果、運休・廃車が決定。)