2009年11月20日金曜日

無双十文字槍

荒れ寺に勝手に住み込んだ「不覚」は宝蔵院流槍術の名手。「大和興福寺」で修業の後自ら破門になった大男である。寺には瓦版読み売りの「佐一」と近所の子供たちが出入りするだけで、半ば隠遁生活を送っている。生活費は佐一が持ち込む怪しげな事件を解決することだ。
「不覚」も「佐一」もいいキャラクター、登場人物も癖のある人間ばかり。槍での活躍は気持ちがいいし、結果としてうまい儲けにならないことも面白い。謎解きのおもしろさもある。 ところが100%楽しめない。事件の当事者の魅力が今ひとつなのが問題なのか?「不覚」「佐一」のスカッとする活躍を読みたい。鬼坊主末法帖とあるからシリーズ化もあるかも。 
次回作に期待を込めて1,400円で買い/定価1,800円