2010年5月18日火曜日

されど、鶯は鳴きやまず

四代目 江戸家猫八の半生記。子供時代、三代目の芸と共演時の思いで、子猫時代の修行を語る。
猫八といえば物まね。人の声色を真似る声帯模写ではなく、動物の鳴き声を真似るほうだ。ウグイスや猫の鳴きまねはテレビやラジオで覚えている。息子の「子猫」は立ち姿がキリッとしていて、爽やかな芸風だが、60になって四代目を襲名した。その記念本。
三代目のもとで大変な苦労をしたのでは、と思うが芸の苦労は一切書かれていない。師匠でもあり、親でもある三代目との共演、ホメられて嬉しかったこと、海外の動物園めぐりの楽しい思い出が綴られているだけだ。実子も芸を次ぐようだ。声帯模写は廃れてしまったが、こちらは安泰ということか。同じく物まねの妹「まねき猫」のことが一切書かれていないのはどうしてだろう。
芸風そのもの、爽やかですっきり読める、けどドロドロの修行話も知りたかったね。1,300円/定価1,500円