はじめて魚の糠漬け知ったのは檀太郎の「自由奔放クッキング」。鰊の糠漬けはひどく塩辛いので塩抜きし焼いてもうまくはないのだが、三平汁にすると絶品、と教わる。発行が昭和62年だから20年以上も前のこと。食べてみたいと思ってみても東京では見かけることはなかった。
初めて買ったのは佐渡のスーパーで、ただし見つけたのは鰊でなく秋刀魚。糠を落として焼いて食べたら、塩辛くはなく秋刀魚の旨みが倍増して凝縮しており、大変旨かった。普通の干物の何倍も味に深みとコクが出ていて、こんなうまいものを普通に食べられるのが羨ましかったことを覚えている。
函館にはきっとあると思っていたら、やはりあった。持ち運びを考えてパック入のものを買う。最近は減塩で、塩辛くはなく焼いて食べても旨いとのこと。
果たして今回の糠さんまも、油があり、味はこってり、かめばかむほどに旨みが出てきて、酒もご飯もいくらでも入ってしまう。