2011年5月11日水曜日

生命徴候あり (久間十義)

麻酔科研修医の耀子は患者死亡の責任を取らされ医局から追われる。信じて付き合った元の医局の助教授に婚約者がいることを知り、日本を捨てるように耀子はアメリカに渡る。
心臓治療の先端技術を身につけた耀子は、熱心な誘いと日本の患者を救うという使命を感じ、シングルマザーとして息子と一緒に帰国する。麻酔科の元教授を手術で助けたことから、医局の臨床教授へと推挙され、主導的立場として活躍をする。IT長者とは恋人に、株式公開で資産も増え、新病院の理事就任、息子はリトルリーグのエースとして全国大会にすすむ。急上昇するジェットコースターのような日常を送る。
絶頂で迎える病院の医療事故、試合中の事故による昏睡状態の息子、恋人の不可解な死、医局からも追われ、一転急降下の中での絶望。 耀子は終章でついに自分の住処をみつけ、希望をもって再び踏み出していく。
医局の閉鎖的な状況、治療のできない大学病院、ITバブルと破綻が生々しく描かれ、大阪往復の機中も読み続けて一気に読了。 ★★★ 耀子に肩入れしてハラハラドキドキ読む。頑張れ耀子!元気がでることまちがいなし。