2011年5月28日土曜日

汽罐車 (大木茂)

1963年から72年まで作者が撮りためた蒸気機関車の写真集。山陽本線の電化は64年、東北本線の電化完了が68年、内房線・外房線は72年に電化完了だから、この時代は、蒸気が幹線から支線に、東海道から東北、北海道に、山陽から九州へと消えて行った時代。蒸気が輝いていた最後の時だ。国道4号には車は無く、長大な貨物列車を鉄道が運んだ時代、鉄道は相変わらず健在だった。
担ぎ屋のおばさん、通学の生徒、春の別れ、鉄道が運んだ生活が写し込まれているから、見ていて心に響く。
働けば豊かになり、未来はバラ色であった時代の息遣いが、モノクロの力強い写真で表現されている。
心を打つのはきれいな写真でない、力が写し込まれているからだ。
★★★
ジョグ10.05km、1°8'44" (小雨の中久しぶりの10km超え)