2011年5月13日金曜日

大仏男 (原宏一)

お笑い芸人を目指すカナとタクロウ。路上ライブにも失敗して、事務所からは解雇、アパートも追い出される。
ネタ造りでやった「霊能者相談」がネットで評判になることを知ってカナはこれで儲けることを思いつく。 事務所のバイトの「マモル」のアイデアで土建屋のパトロンを見つけ、トントン拍子にお客の増加、官僚、政治家、芸能人と人気はうなぎのぼり。タクロウの「大仏卓郎」も存在感を増し、本物の霊能者かと見まごうばかり。昔の事務所のスタッフも金でうまく丸め込み、衣装にも金をかけ、テレビ出演で一気に勝負をかけるところから、再びの急展開。
頑張るカナの周りには、優しい友人のサヤカ、自殺した高校の同級生の静かな励まし、そしてタクロウ。真面目なカナが引き寄せたかいい人ばかり。
一生懸命が報われ、本当の友は身近にいるという、最後はハッピーエンド。
安心して読めて、気持ちがよくなり、元気がでる。 すっきり本。 ★★★。