2011年5月17日火曜日

森繁さんの長い影 (小林信彦)

木曜日が待ち遠しかった頃があった。文春の発売日だからである。コラムや連載が粒ぞろい、当時は新潮のどん底期で、文春の冴えがより目立っていたのかもしれない。 そのなかで少し苦手だったのが、この小林信彦のエッセイ。いつも具合が悪そうなのと、昔の映画についていけない、という感じであった。 小林信彦はずっと前から大好きな作家。オヨヨや、唐獅子シリーズ、自伝的なもの、そして喜劇人や映画、ほとんどすべて読んでいるはずだ。
で、この最新エッセイ集、通してじっくり読んだら、とても楽しい。
相変わらず、体の調子は悪いが、映画は無論、意外とテレビもみてるじゃないか。ストリームと伊集院光の番組がなくなったことを嘆き、政権交代に期待し、そして大新聞がずっと嘘つきだったことを繰り返す。
またこの人の小説が読みたい。 定価1,667円/★★★