2010年4月5日月曜日

落語の世界

権太楼の師匠「五代目 柳家つばめ」が職業としての落語家を描く。入門から真打昇進までの暮らし、落語家を取り巻く人達と彼らとの関係、職場と業界の決まりごと。仕事の苦しみと楽しみ。
落語と落語家への愛情に満ちた語り口は優しく、暖かい。激しい言葉は使わず、わかりやすく、丁寧に、親切に教える。職業として落語を考えている人間へのガイドとしてこんなに適切なものはないだろう。
昭和40年前後の寄席と落語界を知る上でも最適。新作と古典、幹部と若手。仲間への一言批評は含蓄があり、今になると驚くほど適切。三平、馬の助、小せん、みな故人になってしまったが、若手として活躍していたかつての様子が目に浮かぶ。 
もっと長生きして欲しかった。今の新作落語界にも大きな影響を残したはずだから。