2010年6月16日水曜日

西海道談綺


密通した妻を廃坑に突き落として脱藩した恵之助は、直参旗本に養子入りし西国郡代手附として日田の代官所に赴任する。 密命は隠し鉱山と銅の産出減少の解明。
深い仲の柳橋芸者の「おえん」、振矩師の「甚兵衛」と連れの白髪女「お島」。絡まりあった人間関係、代官所のクセの有る役人たち。味方と思えば敵、数多くのドンデン返し、豊後の深い山の中に迷い込んだように、隠し鉱山一味におびき寄せられた恵之助と一体化して一気に読み進める。
重層的な仕掛け、最後に明らかにされる黒幕、全4巻を一気に読み切る。
15年も前にニューヨークのヤオハンの近くにあった古本屋JBCで買ったもの。当時一冊3.5$だから全部で1,600円くらいだったか。