2010年6月19日土曜日

近岡屋 巻鰤 (金沢みやげ)

塩で〆た鰤を乾燥させたもの。〆鯖は〆過ぎると旨みがなくなるが、この鰤は10日以上も塩漬けにして置くということだから、間に旨みが熟成されるのだろう。 この後塩抜きして藁に巻いて乾燥させたら出来上がり。冬の能登の郷土食で寒鰤の保存食だが、前田家や京都にも献上されていたという。
藁で巻いているのは格好だけ、藁を解くと、パックされた鰤の小さな欠片が出てくるから、お土産三大がっかりの一つにエントリーしたいところだ。
薄く切ってそのまま食べてみると、さっぱりしすぎた肴の燻製。塩辛いのは保存食だから仕方ないだろう。酒や酢を降りかけるとうまい具合に塩が抜け、中にしまいこまれていた旨みがズーンと出てくる。そのままでは脂が無いと感じるのだが、酒や酢が旨みを引き出すから酒の肴にも、ご飯のおかずにも素晴らしい。 これは旨い。そのままで、食べないこと。